高気圧酸素療法とは
高気圧酸素治療は、大気圧より高い気圧環境の中で、酸素を吸入することにより病態の改善を図ろうとする治療です。
通常の大気圧下での呼吸で得られる酸素量に対して、10～20倍にまで酸素を体内に取り込むことができ、体内で取り込まれた大量の酸素は、手足の先端まで行き渡りあらゆる低酸素状態の改善を図ります。血管新生や組織修復などに働きかけることから、創傷治癒に対しても促進効果を発揮します。また、一酸化炭素中毒を代表とした体内に蓄積された有毒ガスの洗い出しに対して促進的に働きます。
治療適応となる方
- 脳血管障害（脳塞栓または脳梗塞）
- 重症頭部外傷もしくは開頭術後の意識障害または脳浮腫
- 重症頭部外傷もしくは開頭術後の運動麻痺
- 腸閉塞
- 突発性難聴
- 重症の急性脊椎損傷
- 難治性潰瘍を伴う抹消循環障害
- 脊髄神経疾患
- 脊髄炎
安全性について
高気圧酸素治療は、通常の治療では人体への影響はありません。
ただし、次のような方は治療を受けることができないことがありますので、担当医にご相談ください。
また、医師または看護師にあらかじめお知らせください。
- 風邪を引いて耳抜きができないとき（鼻がつまったり、鼻水が出ているとき）
- 耳や鼻に病気があるとき（中耳炎や蓄膿症、副鼻腔炎など）
- おなかの具合が悪いとき（下痢など）
- ペースメーカーを使用されているとき
- 閉所恐怖症など、狭いところが苦手な方
- 血圧が高くて気分が悪いとき
- 妊娠中の方
- ぜんそく発作中の方
- 肺疾患のある方
安全な治療を行うために、次のような所持品は持ち込めません。
- 静電気の起きやすい衣類（綿100％素材以外のもの）
- マッチ、ライター、たばこ などの火の気のもの
- 白金カイロ、使い捨てカイロ などの熱を発生するもの
- 補聴器、携帯ラジオ、音楽プレーヤー、携帯電話、万歩計などの電気製品
- 腕時計、ポールペン、万年筆、体温計 などの密閉されたもの
- メガネ、コンタクトレンズ、入れ歯、ネックレス、ピアス、指輪、ヘアピンなど
- 雑誌、本などの可燃物
※整髪料・化粧品や油脂製品等を使用している場合は、治療を行う前に落としていただきます。
治療のながれについて
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専用の治療着に着替えます。
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医師・看護師から症状の確認と所持品・衣類の点検、検査を行います。
※治療前には必ずトイレを済ませてください -
高気圧酸素治療室へ移動します。
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症状の確認、治療の説明、耳抜きの説明を行います。
（血圧計・心電計を取り付けさせていただきます。） -
治療装置内へ入り、治療を始めます。
※治療時間は大気圧から治療気圧に上げるため10～20分間、治療気圧60分間、治療気圧から大気圧へ戻すために10～15分間、合計で約1時間30分を要します。